雨月物語
現代語訳で読んだ。円地文子さんの訳で。
古典はいい。現実と離れている。
遠く離れた昔のおはなし。
しっとりとしていて落ち着く感じだ。
五巻からなっていた。
巻の一 白峯、菊花の約
巻の二 浅茅が宿、夢王の鯉魚
巻の三 仏法僧、吉備津の釜
巻の四 蛇性の婬
巻の五 青頭巾、貧福論
菊花の約。丈部左門と赤穴宗右衛門との兄弟の契り。約束を守った二人の強い絆に胸熱。
浅茅が宿。勝四郎、待ち続けた妻の亡霊と会う。夫はよかえれよ、、帰ってくると信じて生きながらえようとした妻。死んでも待ってたんだね…
夢王の鯉魚。興義という僧、魚を描く人だった。死んだと思いきや、夢で鯉になっていたとのこと。
仏法僧。夢然、息子とともに高野山にきて、紹巴、関白秀次たち亡霊と出会う。
秀次って無念にも追われて高野山で自害したのね…秀頼が生まれて邪魔に思われたのか。切ない。
吉備津の釜。これなかなかにホラー。夫が悪い。正太郎と磯良。吉備津の釜は二人の婚姻では音は鳴らなかった。浮気をして駆け落ちした正太郎。相手をなくし彷徨っていたところ曠野で見つけた女主人。それは磯良の亡霊だった。正太郎は占者に四十日間外に出てはならないと言われた。
ようやく四十日目になり夜が明けるかというとき外に出た途端…
こわーい。
蛇性の婬。頼りない豊雄。雨の日に出会った美しい女。傘を貸すと、真女子と言う。
真女子は蛇だった。しつこく豊雄に迫る。術者も殺される。法海和尚が地中に埋めてくれてなんとかおさまる…ホラーよね
青頭巾。死んだ小姓を愛するあまり鬼になった僧。快庵禅師、その僧をさとしたというはなし。
なかなかにおたんび。
貧福論。お金の妖精の話。お金の妖精のお金論。ひとと金、出世と金。倹約を旨とした武士、左内との問答。
個人的メモメモ。
怪奇小説と言われるだけあって、不思議なお話しだった。古文の表現はうつくしいね。自然の描写や人の想い。
まだ春雨物語を読んでないのでこれから読もう。